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代表取締役ブログ

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筋が通った英文コピーを書く重要性

学生時代 私は英語の読み書きがあまり得意ではありませんでした(と言っても高校卒業時にはTOEFLやTOEICでは ほぼ満点でしたが・・・)。 

高校に入学する前に語学学校に半年在籍。 高校と大学でもESL(English as Second Language:英語が第2カ国語の生徒の為の英語教室)に属し、補完的に英語を学ぶことが必要でした。 

更に、3年生になってDePaul大学に転校した時も 再度 読み書きの基礎クラスを取らされたのでした(注:DePaul大学は読み書きをとても重要視する大学で新入生/転校生の全員が例外無く読み書きの基礎クラスをとらされ、 自分だけが例外的に能力が低かった訳ではありません。)。

そのクラスを修了した時点である程度のレベルで作文を書くことが出来る様になったことから、『長い間苦労して来たけれどもやっと自分もアメリカ人並みになった!/英語を極めた』と自信を持ち、とても嬉しかった記憶があります。

今迄さんざん 「アキラは何を主張したいかわからない。」 「この文章の意味は何だ?」 「これは作文として成立していない」・・・等々言われ続け 赤点しか取れず苦しみまくったことから このレベルに到達したことはとても感慨深かったです。 

渡米後6年を経て、ようやく『英語を極めた/自分の主張が文章で問題なく相手に通じる様になった』と自信を持つことが出来る様になった訳です。 それから作文を提出することが苦痛でなくなりました。 寧ろ楽しんで作文を書いていた記憶があります。

しかし、その自信はある日木っ端微塵に崩されてしまう出来事が・・・。


とある授業の出来事です。 2日程徹夜をして用意した作文をクラスで発表する機会がありました。

一生懸命準備しこれ以上のレベルの作文を用意することが出来ないだろうと思い臨んだ授業。フラフラになりながらも教室に向かい、眠い眼を擦りながら参加。 

半時が経ち、前の学生が拍手喝采で発表を終え ようやく私の番です。 『あれだけ頑張って用意した作文なのだから私も同じ位、いや それ以上に拍手して貰える筈だ! 絶対に!』・・・と 自信を持って発表を開始。 ところが・・・


クラス中が不気味な位に静まり返る・・・。

『こいつはいったい何を言っているんだ?』というクラスメート達からの刺すような眼差し、

『全く理解出来ない、お手上げ!』・・・というアメリカ人お得意の肩をすくめるポーズの教授、

『あれだけ頑張ったのに・・・ (涙)』・・・とても情けなく いたたまれない気持ちになる自分。 


結局、私の作文の筋が通っていないことから、文章の一つ一つの意味は通じても 聞いた人は混乱してしまったのでした。 私より訪米歴が短い同じくESL出身の学生が舌足らずな発音で読みあげて行った、文法的にも稚拙な作文の方がよほど 筋が通っていて良い出来でした。 そしてその時感じた屈辱、情けなさから背筋が凍る思いだったこと、今でもとても良く覚えています。 


あれから10余年の年月が経ちました。 もはや私の読み書きの能力はその当時のレベルではありません(当たり前です。それで商売しているのですから・・・)。 しかし今でもその時の心地の悪かった感情を思い出し悲しくなることがあります、 稚拙な英文のセールスレターや会社HPを読んだ時に。 


『このHPで作者はいったい何が言いたいんだ?』

『全く理解出来ない、お手上げ!』 

『一生懸命頑張って書いただろうに・・・(涙)』

・・・まさに10余年前の私が体験したのと同じ状態です。 筋が通っていない英文コピーは読者を混乱させ売れる商品も売れなくなってしまうのです。


国際競争が活発で国内市場が縮小傾向にある現在、売り上げを伸ばす為には外国人が理解出来る筋が通った英文コピーで海外市場にアピールすることは必要不可欠です。 なのに、それが出来ていないセールスレターや会社HPが・・・。 折角用意しているのに、それでは主張(商品の良さ)が伝わらない・・・。 こんなに悲しいことはありません。 

さて それではどうすれば筋が通ったコピーを書ける様になるでしょうか? 以下を実践してみてください。


1.商品のことを全く知らない人が読んでも理解出来る情報量を網羅する。

商品のことについて漏れなく説明することが大事です。 特性、仕様、機能、形状、サイズ等々情報量が多ければ多い程読者は興味を持ちます。 そしてもう一つ、お客様はコピーを読んで理解できる商品しか購入しません。

2.誤った単語を使わない。

日本で日常的に使われている英単語は 本来の意味と異なっていることがままあります。 無意識の内に使ってしまって読者を混乱させていないか? ご確認下さい。 (例:エアコン → 日本では冷房機能だけを指すことが多いですが 本来は湿度/温度/風量等総合的な空調機能をあらわします。 クレバー → 日本では賢い/鋭いという意味合いで使いますが、 本来はずる賢いという意味で悪口になってしまうので注意が必要です。バンドエイド → バンデージです。 オープンカー → コンバータブルです。日本人がつくった造語は外国人には通じません。)

3.メッセージが一貫している。

説明が足らないのと 誤った単語が使われている以外に日本人が書く英文コピーで良く見られるのが論点があちこちに拡散しているケースです。 同じ段落に異なるアイデアが含まれていたり、コピーの中に主題と全く関係のないことが記載されていたりすることで本来伝えたいことがボケてしまわない様にしましょう。

4.ネイティブが書いたコピーを使う。

兎に角ご自身でコピーを組み立てることに挑戦して意味不明なものを書いて失敗しているケースが散見されます。どうして英語を母国語の人が書いたコピーを使ってみないのでしょうか? 良いと思われるコピーを探し出して使ってみて下さい。 読者との距離がぐっと縮まります。

5.ネイティブにチェックして貰う。

読者と同じ思考回路を持つ人にコピーを確認して貰うことで改善点が明確になります。適切な指示を仰ぎ修正してください。 又、英語の検定試験で良い点を取る人が必ずしも筋の通った英文コピーを書ける能力を持っていないことを先ほど説明しました。 日本人にチェックして貰うのであれば、良いコピーを書く能力がある人に確認してください。 その際は文法のミスでは無く、外国人が読んで違和感が無いコピーを書くことが出来ているかという視点で確認することが大事です(でも文法のミスは無い方が良いのは言うまでもありません)。

これらが確実に出来る様になって初めてスタートラインに立って外国市場で商うことが可能です(勿論これが出来なくても市場に参加することは可能ですよ。 でも人は理解が出来ないものに興味を持って購買を決断しないのです。日本市場と同じで)。 ご成功をお祈り申し上げます。

 

 

 

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