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代表取締役ブログ

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読み手に伝わるように書くことの大切さ

私はかねがね 日本人同士の意思疎通は簡単で良い → しかし 反ってそれが外国人に対して意思疎通を図ることを困難にしていると思ってました。

程度の差こそあれ、日本人は共通の価値観と社会慣習を持っています。 従って、具体性の無い曖昧な文章を書いても 日本人同士だと理解してもらえるのです。

一番顕著な例が契約書の類だと思います。 自分が法務部に居た時、日本の会社と契約を結ぶ時は”別途合意条項”が何と多かったことか・・・。 「こんなのだったら 最初から契約書を作成しなけりゃいいじゃん、紛争になった時は別途合意すれば良いのだから・・・」と思ったものです。

それに引き換え、欧米の契約書はえげつないものが多いです。 もう、これでもか・・・と思う程 事細かな条項がずらっと書かれてあります。 そして この契約書なのですが、その大元となるドラフトを作成した者が必ずと言って良い程得する契約内容になっております。 

それを受け取って、「こんな条件飲めるか 書き直し」と修正版を作成者に送る。 「いやいやそういう意味では無くって・・・」と再修正版が又 送り返されてくる。 このbattle of the formsが何度も繰り返されてようやく合意するのですが、 時には実務が始まっているのに契約が未だ合意出来ていないということもあります。これはひょっとすると自動車業界だけの慣習かも知れませんが・・・。

さて、わたくし The Cultural Dimension of International Business(1990, Prentice Hall, P.G.Ferraro)という本を読んでおりましたところ 大変興味深い資料を発見致しました。 

これです。

高コンテクスト
日本人
中国人
アラブ人
ギリシャ人
スペイン人
イタリア人
イギリス人
フランス人
アメリカ人
スカンディナビア人
ドイツ人
ドイツ系スイス人
低コンテクスト

上に行けば行く程相手のことを察する人種である・・・。 ようは日本人は文章を読んで相手のことを好意的に察してあげることができるのだけれども ドイツ系スイス人はそもそも察することが文化として定着していないのでそれを求めては駄目・・・ということです。

恐らく 普通の日本人が英語で文章を書いてドイツ系スイス人に送ったら 反応を期待することは出来ないでしょう。 何故ならば 相手は 日本人が何を言いたいのか全く見当がつかないからです。

この様なコミュニケーションギャップを埋めて、誤解や摩擦を避ける為には曖昧な表現を出来るだけ排除することが必要です。 

会社のHPでもこれと同じことが言えると思います。 経営哲学やスローガン、社長のご挨拶(それも大抵はしかめっ面の写真付きで外国人には異様に見える)などは外国人にとっては理解しがたい情報なのです。

「お客様の意見を第一に考え、誠心誠意 社員一丸となって 経営課題を乗り切る!」・・・なんて もはや意味不明なのです。

それならば具体的に、「この度の材料費の高騰により今までA円でおさえることが出来ていたB製品の売価をC円あげざるを得なくなった。 それにより、本年度の経常利益はD億円当初見込んでいたのがE%圧縮され F億円になる予定。 今後は設備の売却や工場を人件費の安い東南アジアに移転することでG年かけてH兆円の売り上げ達成を20XX年までの達成する予定。」と書いた方が明確です。

もはやグローバル競争が激化している時代なのですから、伝統を守ることは良いことですが、改善すべきところは積極的に直していくことが大事だと考えます。 皆さんも心掛けてみませんか? 読み手に伝わるように文章を書くことを?

 

 

 

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